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イントレプレナー塾

イントレパス始めて4か月!現在の進捗と今後について

第一章:イントレパスとは

2024年、「中堅企業元年」とも呼ばれる節目の年に、企業内での新規事業創出を支援するプログラム「イントレパス」が始動しました。この取り組みの背景には、インターウォーズ社が持つ強い使命感があります。それは、スタートアップだけでなく、既存の中堅企業の中からも次々と新しい事業を生み出し、日本全体の雇用や地域活性化を支えることです。

インターウォーズは、創業時から新規事業創出のサポートに注力しており、これまでに吉野家やロッテといった企業と連携し、新規事業の立ち上げに成功してきました。このノウハウを活かし、地方の企業にも新たな可能性を提供するべく、「イントレパス」というプログラムが形作られました。

地方創生との結びつき

イントレパスは、地方の企業を対象とした新規事業創出支援プログラムとして設計されました。この背景には、JTBとのパートナーシップがあります。JTBは、コロナ禍において旅行業の縮小という試練を経験し、BPO事業を通じて新たな収益源を確保しました。その経験から旅行業だけでは将来に向けた成長が難しいとの判断から、地域活性化事業への本格的な参入を決意しました。

JTBとインターウォーズの思惑が一致し、JTBは資本業務提携を締結。両社の協力により、地域の中堅企業を巻き込んだ新たな事業創出を目指す取り組みが具体化しました。

新潟県を起点とした展開

イントレパスの第一歩は、新潟県での活動から始まりました。新潟県は亀田製菓やツインバードといった優良企業が多く存在する地域であり、地方創生の実現可能性が高いと考えられました。この提案は、新潟県庁や経済産業省から高い評価を受け、2024年度に経済産業省が展開する中堅企業を対象とした新規事業プラットフォーム事業の担い手として期待されました。

結果、令和6年度地域の中堅・中核企業支援プラットフォーム事業(経済産業省補助事業)の代表機関に選定され、甲信越3県の新規事業創出を担っており、今後、他の地方にも展開を進めていく予定です。このプログラムは、地域ごとの特徴に応じた柔軟なアプローチが取れる点が強みとなっています。

選定された企業と特徴

イントレパスでは、地方の中堅企業を主な対象としています。すでに11社が参加を決定しており、それぞれの企業が新規事業の立案に取り組んでいます。このプログラムの特徴は、単なるセミナーに留まらず、具体的な事業立案を中心に据えた点にあります。インターウォーズが20年以上にわたって培ったノウハウを活用し、実践的なプログラムが提供されています。

第二章:イントレプレナー塾との比較から見るイントレパスの特徴

JTBとの共同事業で拡大した営業接点

イントレパスの大きな特徴の一つは、JTBとの共同事業による営業接点の拡大です。インターウォーズ単独では接点を持つことが難しかった企業や地方自治体に、JTBのネットワークを通じてアプローチできるようになりました。

具体例として、JTBの新潟支店と連携し参加を決めていただいた、新潟県内の中堅企業との接点が挙げられます。このように、JTBが持つ全国規模の顧客基盤や支店網を活用することで、企業や自治体との接点を広げ、地方創生に向けた取り組みをより効果的に進めることが可能となりました。

また、JTBは観光誘致や産業振興といった地方自治体の課題解決にも積極的に関わっており、地方創生の分野で信頼されるパートナーです。これにより、地方自治体への提案や協働が円滑に進む点も、イントレパスの強みといえます。

個別対応型プログラムの設計

イントレパスのもう一つの特徴は、参加企業ごとに新規事業の計画を練り上げる「個別対応型プログラム」である点です。イントレプレナー塾では全8回の講義形式が中心ですが、イントレパスでは以下のようなカスタマイズが行われています:

  1. 1.プログラム構成の違い
    • イントレプレナー塾:8回の講義で事業計画の作り方を学び、最終発表を行う。
    • イントレパス:最初の4回は全体講義を実施。その後の2か月間は各企業にコンサルタントがつき、個別の壁打ちで事業計画を具体化。
  2. 2.企業への事前コミットメント
    • 参加企業には、本業から一定割合(約20%)の時間を新規事業に割り当てることや、コンサルタントとの定期的な壁打ちセッション、中間報告会や最終プレゼンテーションへの経営陣の参加などにコミットしてもらいます。これにより、参加者が新規事業に専念できる環境を確保しています。
  3. 3.支援環境の充実
    • 出島インキュベーションでの活動拠点と、オンラインツールを効果的に活用し、物理的な距離の課題を克服しています。これにより、企業は自社の拠点で新規事業に取り組みながら、コンサルタントの支援を受けることができます。

イントレパスサービス | 企業内起業家養成による新事業創出プログラム 公式サイト課題:新規事業創出の意識差と現実的な困難

イントレパスは、地方創生を目指す実践的なプログラムですが、新規事業を進めるうえでいくつかの課題も明らかになっています。

1. コミットメント不足

イントレパスでは、企業の経営層が新規事業にしっかりとコミットし、参加者を送り出すことが成功の鍵となります。このコミットメントが不足すると、任せられた担当者も目標設定が出来ず、周囲からの理解や協力も得られないという悪循環に陥ります。特に、送り出された担当者が本業に時間を割かざるを得ない状況では、プログラムへの集中が難しくなり、新規事業の進捗が停滞する可能性があります。

2. 社員の意識と企業文化の壁

地方の中堅企業では、既存のビジネスモデルで安定的な収益を上げているケースが多く、新しいことに挑戦する経験が乏しい社員が多いのも課題の一つです。経営者が新規事業の必要性を認識していても、現場の社員は「現状維持で十分」とパラダイムシフトができずにいると、既存業務を優先してしまう傾向があります。この意識のギャップを埋めるには、社員の内発的な動機づけや、新規事業の重要性を企業全体で共有する取り組みが求められます。

3. 新規事業の収益性に対する疑念

新規事業は立ち上げから軌道に乗るまでに時間がかかり、最初の1年目の収益が本業に比べて小規模にとどまることが一般的です。本業で安定した大きな収益を上げている社員にとっては、「なぜこれをやる必要があるのか」という疑念が生じやすい状況です。このような中、参加者が新規事業に意味を見いだし、モチベーションを保つためのサポートが重要です。

4. 地理的距離の課題

イントレパスでは、地域ごとの出島インキュベーションの活動拠点を設けられる建付けになっていますが、地理的な距離が新規事業の進捗に影響を与えるケースもあります。参加者が物理的にコンサルタントと会う機会を確保しにくい場合、プロジェクトの進捗が遅れることがあります。この課題を解決するためには、オンラインでのサポート体制の強化や、地元での支援体制のさらなる充実が必要となります。

第三章:イントレパス参加者からの反響とフィードバック

実践的な学びへの評価

イントレパスの参加者からは、プログラムを通じて新規事業の進め方を体系的に学べたという声が多く寄せられています。特に、以下のような点が高く評価されています:

  • ・新事業立案のプロセス理解 自社の経営資源や強みを洗い出し、それを顧客の課題解決にどう結びつけるかを体系的に学ぶ機会は初めてだったという意見が多くありました。また、経営者に対して納得感のある提案を行うために必要な数字や計画の作り方を学べたことが、実践的であると評価されています。
  • 異業種交流による視点の拡大 異業種の参加者と交流することで、自社の強みや課題を新たな視点から捉え直すことができたとの意見も目立ちました。他社の成功事例や発表を聞くことで、自社の状況を相対化し、学びを深める機会となっています。

地方企業特有の課題に対応した価値

イントレパスは地方企業の実情に即した支援を行うことで、参加者にとって新たな価値を提供しています。

  • 実践的なアプローチの必要性 例えば、米菓製造企業の担当者は、これまで全国的な知名度も高い既存商品の成功にブランディングを頼ってきたものの、その成功体験から脱し、新たな挑戦として観光土産をターゲットにした商品開発のプロセスを学ぶことができました。このように、仮説の構築からニーズの検証までの実践的な手法を学べる点が、地方企業にとって特に役立つと評価されています。

プログラムの仕掛けが生む挑戦の場

イントレパスは、地方特有の閉鎖的な企業文化を打破し、挑戦する文化を生み出す場としても機能しています。

  • 挑戦のきっかけづくり 地方で成功を収めた中堅企業は、既存のビジネスモデルが安定しているため、新規事業に取り組むモチベーションを持つ動機が弱い場合が多いです。イントレパスでは、全参加者に個別で集中支援を行うことで、新しい挑戦を後押ししています。

第四章:イントレパスの今後の展望

全国への展開と地方活性化の推進

イントレパスは、これまでの甲信越での取り組みを機として、さらなる全国展開を目指しています。初年度で得たノウハウやこれまでのイントレプレナー塾での経験を活かし、プログラムの内容や進行方法を確立し、この実績を基に、他の地域や自治体にも提案を行い、地方創生や地域活性化に寄与する活動を広げていく計画です。特に次年度以降、甲信越地域での成功事例を他地域に共有し、地方自治体や企業がリアルにイメージしやすい形でプログラムの効果を伝えることが大切だと考えています。

地域社会へのインパクト

イントレパスの究極の目標は、日本全体の活性化を支えることです。そのために、地方の中堅企業を通じて以下のような社会的インパクトを目指しています:

  1. 1.雇用創出の促進 中堅企業の新規事業立ち上げを支援することで、地域に新たな雇用を生み出します。これにより、若者が地元に留まる選択肢を持てるようになり、地方からの人口流出を抑制できるかもしれません。
  2. 2.地域企業の競争力向上 イントレパスを通じて、地方企業が新しい事業を立ち上げ、継続的に成長できる仕組みを提供します。これにより、地域経済の活性化と持続可能性を実現します。
  3. 3.地方創生のモデルケース構築 地域で成功した取り組みが他地域にも波及することで、日本全国の地方創生の推進役となります。

若者と地域を結ぶ架け橋

地方での新規事業創出を通じて、イントレパスは地域の「エクセレントカンパニー」を育成・支援することを目指しています。東京への一極集中が続く現状に対し、イントレパスは次のようなビジョンを描いています。

  • ・若者が地元の魅力的な企業で働きたいと思える環境を作る。
  • ・地元の企業が全国的にも評価される優良企業へと成長する手助けをする。

こうした取り組みを通じて、地方と都市の間で循環的な関係を構築し、持続可能な経済圏を形成することを目指しています。

日本全体への貢献

イントレパスは単なる地方支援プログラムではなく、日本全体の活性化を目指す仕掛けです。地域が元気になり、地方企業が成長することが、日本全体の経済を支える大きな力になるという信念を持っています。最終的には、イントレパスが地方創生の鍵となり、地域の未来を切り開く存在となることを目標としています。