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2024年は「中堅企業元年」
2024年は「中堅企業元年」、皆さん聞いたことがありましたか?日本政府は中堅企業の成長を大々的に支援し、新たな経済再生の主役に位置づけています。
というのも中堅企業はかねてから「隠れたチャンピオン」と呼ばれ、経済的な数字上でも重要な役割を果たしているのです。
この記事では、中堅企業の現状、政府の支援策、そしてこれからの展望について詳しく解説します。
2024年は「中堅企業元年」!
2022年は「スタートアップ創出元年」以前の記事でそう紹介しましたが、今年2024年は「中堅企業元年」と言われています。
2024年4月の段階で、中堅企業の定義は明確にされていませんが、昨年11月、従業員2,000人超の企業を「大企業」(約1,300社)2,000人~301人の企業を「中堅企業」(約9,000社)、300人以下を「中小企業」(約336万社)と法律で区分し、中堅企業を大々的に支援をする方針を計画しています。
4月22日(月)の日経新聞の1面にも、
2024年4月22日 日経新聞より
という記事が出ていたため、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
「中堅企業」の可能性
日本経済において中堅企業はしばしば「隠れたチャンピオン」と呼ばれ、その存在感は大企業に隠れがちですが、実は国内外の市場において極めて重要な役割を担っています。
これらの中堅企業がさらに成長し、革新的な製品やサービスを世に送り出すことができれば、日本の産業構造そのものが変わる可能性があります。
日本政府が発表する「中堅企業成長促進パッケージ(2024年3月13日付)」によると、
中堅企業は
● 国内で事業・投資を拡大し、地域での賃上げにも貢献している重要な存在
と分析されています。
資料内には、中小企業・中堅企業・大企業の10年間での「設備投資額および給与総額」それぞれの「伸び額と伸び率」が掲載されていますが、大企業群よりも中堅企業群が総じて拡大していることが示されています。
中堅企業が直面する具体的な課題とは?
一方で、中堅企業は多くの課題に直面しています。
例えば、人材不足が深刻化している中、新規事業立ち上げを任せる人材が見いだせないという課題です。こちらも以前の記事で書いた、スタートアップ創出を願う地方自治体で「起業家人材が見つからない」という問題にも共通するものがあります。
「パーソル総合研究所」が2021年に発表した企業の新規事業開発における 組織・人材要因に関する調査では、従業員数300名以上の企業(n=1,800)のうち、新規事業開発にあたっている割合は51.3%にも上りました。新規事業開発担当者が感じる組織マネジメント上での課題感の上位は『担い手となる人材の確保(38.9%が回答)』、『知識・ノウハウ不足(38.6%)』となっています。
更にチャレンジを難しくさせる点は、資金調達の困難さです。大企業に比べて不利な立場にあり、特にイノベーションを推進するためのリスク資金が得にくい状況にあります。
地域の中堅・中核企業の経営力向上支援事業
そのような動きの中で、令和6年度 経済産業省の当初予算に「地域の中堅・中核企業の経営力向上支援事業」21億円の予算が創出されました。
この事業は、地域経済を牽引する中堅・中核企業の新事業展開を支援し、地域経済の持続的な成長を実現することを目的としたものとしています。
具体的には、地域の金融、教育、経営支援機関や特定分野の知見を持つ専門家とのネットワークを構築・活用、地域の中堅・中核企業が新事業にチャレンジすることを支援し、地域経済の活性化や良質な雇用創出を実現させる事業です。
これにより、中堅企業が抱える人材不足やノウハウ不足、公的資金の導入による資金調達の課題をクリアにし、地域に頑張る「隠れたチャンピオン」をさらなる成長フェーズに引き上げようということです。
中堅企業へ「イントレパス」を
「中堅企業元年」と称される2024年は、日本経済における新たな局面の始まりです。
中堅企業がこれからも持続的に成長し、日本経済全体の活性化に貢献するためには、上述したような内外の課題を乗り越え、更なるイノベーションを推進していく必要があります。
インターウォーズとJTBとスタートさせる共同事業「イントレパス」は、地域の中堅企業を正に見据えたソリューション事業です。
経済産業省、中小企業庁といった政府機関、県や市といった地方自治体が上記のような「隠れたチャンピオン」へ適切な助成をし、企業内起業のノウハウを活用し新たな事業を創出する。
それが地方創生、日本再生の切り札になると強く信じています。