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コラム

第317回

サーチファンドによる経営者へ

サーチファンドとは、個人が資金を集めて中小企業を買収し、自ら経営して企業価値を高める仕組みである。アメリカではこの手法が一形態として定着しているが、日本ではまだ少ない。ゼロから会社を立ち上げるのではなく、既存の企業を買収して成長させるのが特徴だ。

何もないところから事業や会社を創る「ゼロイチ」の起業だけでなく、すでにある事業や会社を買うという出発があってもいい。

「ゼロ」からの起業は運や人脈などの要素に左右され、優秀な人でも失敗しやすい傾向にある。既存の事業を伸ばすスタイルなら、その人の優秀さや力をストレートに繫栄できるメリットがある。

デジタルプロダクトを創るわけでもエンジニアでもなくライセンスもないが、起業家や経営者として手腕を発揮したい。

そんな強い願望を持つ人にとっては、一つの起業のスタイルでもあり、経営者になる道筋だ。起業家を目指す有力な選択肢の土壌は、日本の中小企業数は企業で全体99.7%、従業員数で70%を占める肥沃な土地だ。

後継者不足や黒字倒産が増えているが、新たな経営者へのバトンタッチでスケールさせていくあり方は、ゼロイチ起業に劣らない革新のアプローチである。

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