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コラム

第315回

野中郁次郎先生への感謝と思い出

1月25日、知識経営の世界的起源であり、「失敗の本質」で知られる一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生がご逝去されました。

野中郁次郎氏
出典:国立大学法人一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 教員紹介

先生は生前、インキュベーション活動にエールを送ってくださったことがあり、その言葉は今も私の胸に深く刻まれています。また、私が講演で「企業内起業は、なぜ失敗するのか」というテーマについて語る際には、野中先生からの影響が大きな支えとなっております。

特に、現場の事実から暗黙知の共創と形式知のバランスから企業イノベーションの源泉を読み解き、数値やデータ分析に過度に依存しないイノベーションへの追求の姿勢に、多くの学びをいただきました。

個人が持つ知識や知恵、個人の「暗黙知」は、言語やデータになる前の重要な経営資源です。この「暗黙知」を異業種の人々との対話共有し、新しい知を生み出すイントレプレナー塾のカリキュラム構成も、野中先生の考えやヨーゼフ・シュンペーターの理論を確信して組み立てたものです。

これからも、個人が持つ知識や経験を踏まえた創造的な経営の実践であるSECIモデル、個人に眠る暗黙知を集団で共有する「知識創造経営」を、一人でも多くの起業家と共有していきたいと思います。

心より感謝と祈りを込めて。

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