第313回
何でも話せる企業文化
「事業ポートフォリオ戦略は、コモディティだ」
ホールディングカンパニー体制で成長を続ける企業には共通の特徴があります。多くの経営者が経営力の差を戦略に求めますが、実際に差を生むのは「実行力」であり、それは個々の能力と組織文化の融合によって成り立っています。
これからの時代、オープンイノベーションなどの組織を超えたつながりが、共創を通じて技術力や独創力を押し上げるでしょう。その基盤には、社員が「何でも話せる」心理的安全性が浸透したオープンな組織文化が欠かせません。こうした文化の力こそが、企業に大きな成果をもたらすのです。
また、共通の価値観を持つ社員が増え、枠を超えた共創や自主性、そして成果へのこだわりを発揮することで、組織全体がさらに強固なものになります。特に企業内の新規事業立ち上げにおいては、個々の力を活かす土壌としての文化が成功の鍵を握るでしょう。
アメリカの企業は徹底した業績主義のイメージが強いものの、実はこうしたオープンな文化を取り入れている企業も少なくありません。日本経済の成長背景にも、企業内起業家の力を最大限に発揮する事業ポートフォリオ戦略経営の革新が見られます。