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コラム

第308回

「構想力を持つ人材を」

日本企業には、優れた人材やノウハウ、技術、内部留保、
そして強固なネットワークといった経営資源が豊富に存在している。

今から15年前にイントレプレナーの発掘支援の塾をスタートし、
異なるキャリアを持つ社員と議論を重ねながら「企業内起業」を創生する中で、その思いは一層強くなった。

企業内の人々と新規事業の話をすると、なかなかうまくいかないと感じている人が多い。



しかし、異業種の人と話をすると、
自社の経営資源が新規事業を立ち上げるリソースとして十分であることに気づく。

同じ会社内で新規事業を進めると停滞することがあるが、
他の企業の人々と議論することで、新たなアイデアが次々と出てくることが多い。

議論を重ねることで、これまで気づかなかったアイデアや視点が生まれ、
モチベーションが上がることがよくある。


情熱あふれる社員が日常の仕事で力を発揮しきれないことが多いのは、残念なことだ。

昨今の働き方改革については評価するが、その影響で経営者も社員も仕事に対してドライになりがちで、大手企業では自ら進んでイノベーションにトライしない風潮がある。

1995年にインターウォーズを設立し、多くの事業創造や起業に関わってきた。

経営者がビジョンや方向性を示し熱意ある社員に事業創生の機会を与えることが大切である。


企業内には優秀な人材が多いが、その発想力を磨く機会を提供することが重要だ。


社会に必要な事業を発想し、実現可能な計画に落とし込む力が不足していると感じ、
イントレプレナー塾を立ち上げ、これまで1300人を超える人々と関わりながら、多くの起業家が誕生した。

構想力を持つ起業家人材を育てることができれば企業も地域も社会も変わると信じている。

政府は今年度から地域の中堅企業の成長を支援する政策を進めているが、
これからのイノベーションの中心は企業内起業にあると確信している。

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