第14回
「メンバーズ 剣持社長」
「あっ、侍だ、侍がきた。」初めてお会いした時の印象です。
今から6年程前、ITという言葉そのものに、誰もが期待を抱き、夢見ていた頃、ビットバレー(ITの精鋭集団)の仲間の中でも注目されていた彼は、力強い風貌からは想像できないソフトな語り口で「こういう形でのインキュベーションですか、そうですかぁ、いいですね」と呟きながら、池袋事務所時代の大部屋のインキュベーションスペースをとても興味深そうに眺めてらしたのを思い出します。
それから、何かと吉井と話をしている姿をみかけるようになり、最近では、吉井が相談相手なのか、吉井の相談相手なのかわからないほどです。
剣持さんは、複雑で面倒な話でも、経営や、ビジネスモデルに関わる話を聞くと時間を惜しまず、真剣に、無垢な気持ちで、具体的な解決策や提案を述べてくれます。
私も、幾度と無く剣持さんのビジネスに関係の無い事でも、相談を持ちかけてしまうのですが、いつも、快く、明快な返答をスピーディにしてくれます。その上、軽く話した内容でも、その後に、熟慮してメールを下さるのです。
これには、頭が下がります。鋭い眼差しと、シャープな言語で、静かに思いを語る彼は、一見、スマートに仕事をこなすIT業界人と思われるかも知れませんが、実は、とても繊細で優しく、そして、辛抱強く何事にも、逃げない努力の人です。
メンバーズは、クライアントの、ITニーズを、トータルにソリューションしてゆくサービスを提供しているだけに、社員の皆さんには多くのことが要求されます。 ITソリューションとは、情報コンサルティングだけで無く、解決策として具体的にシステム構築を伴うからです。
様々な企業の課題を解決するためのシステムは、機械的に作るものでなく、多くのシステムエンジニアの方や、プログラマー、デザイナーの方々を、まとめるプロデューサーの知恵と努力と時間との戦いで完成するものだと思うのです。
一見するとカッコイイ、ITソリューションビジネスは、実は大変なヒューマンリソースのマネージメントの集大成であり、顧客の本質的な課題を見抜く力を持ったマーケティングのプロの集団でなければできないと同時に、プロジェクトのメンバーのモチベーションも維持しなればならない、本当に難易度の高い、辛抱強くなければ出来ない仕事です。
業界の多くの企業は、トータルで複雑なソリューションは、生産性が悪いので敬遠されているように思います。それでも、メンバーズは、お客様の求めている本当の解決策を出せるのは自分たちしかいないと「志」を持った独立系ベンチャーとして、着実に成長してこられました。
これからも、どんどん飛躍されていくことだと思いますが、出来れば、剣持さんに、もっと、いろいろなところで、「だからメンバーズなんだ!」と理解されるように、メンバーズの思いをもっと、もっと表現されて、より、多くの方に支持される会社になって欲しいと思っています。