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コラム

第37回

「歌手というキャリア」

仕事柄、様々な業界の方から、新規事業や会社立ち上げのご相談を受けます。業界によっては、独特の感性や知識を必要とされるので、その道のプロの方をスカウトして、一定期間だけでも、開発チームに入って頂きながらご支援をしています。

そういう経緯もあって、今から5年ほど前に、沢田知可子さんという歌手に出会いました。

彼女は、デビュー間もない頃に「会いたい」という曲が大ヒットし、NHKの紅白にも出場した人です。OLから、プロの歌手に転職?し、紅白まで一挙に登りつめた彼女は歌手人生での大きな目的を果たされました。

しかし次の大きなヒットに恵まれないまま、安定した地位を持ち、根強いファンに支えられてもいるものの、絶頂期の彼女のステージには、まだ戻っていません。

普通であれば、寂しさや焦燥感に捉われる事もあるはずなのに、彼女は苦労を微塵も感じさせず、常日頃から、素直で愛らしく、おおらかで、素敵な女性です。

ある日、音楽事務所で資料をつくっている、飾り気もないのに「華」がある女性がいました。「あれ?沢田さん?!何してるの?」「あら、お仕事ですよぉ?」「知可ちゃんの仕事は違うでしょ。」という私に「でも、私もできる事はしようと思って margin-bottom:15px;、案外得意なのよ」と、楽しそうに、せっせと作業を続けていました。

一生懸命な彼女の姿を見ているうちに、この人の歌が本物である事がわかりました。歌が歌える幸せを、歌手と言う職業を持っている事を、心から周りに、素直に感謝している人なのです。

私は、そういう彼女の歌声に、そして、彼女の人間性に惚れています。本当に美しい声です。アカペラで、心に語りかけるように歌える、類まれなる歌唱力を持つ、数少ない本物のディーヴァであることは、間違い無いと思います。

そして、「人生、歌一筋」というキャリアもあるのだと実感しています。

最近、キャリアの選択で迷っている人と出会うと、人間は、本当にやりたい事をやれるのが、そして、それをずっと続けられる事が、一番の幸せだと思わずにいられません。

但し、その道は険しく、厳しいものです。それを受け入れてこそ初めてのキャリアアップです。彼女も一度はOLの道を選んだのです。でも、どうしても歌いたくて思い切って転身し、歌手になるために、な・る・までに、物凄く大変なご苦労をされたのです。

その努力の末に勝ち得た今の立場です。だから彼女は、いつまでも真摯な気持で歌い続けています。

辛い時、心が疲れた時は、是非、彼女の歌声を聞いてみてください、人間として逞しく、清らかな気持でいきている人の綺麗な歌声に心が安らぐはずです。

彼女は自分で自分の道をひらき、今もなお、めげることなく、一生、歌手という職業を全うするために、毎日、切磋琢磨の努力を続けています。

彼女のように、年齢を重ねるほど魅力と深みが増す、そんな心豊かな仕事人生を、あらゆる人に送って欲しく思います。

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