第40回
「女性らしさを生かす時代」
「働く女性の皆様へ」
女という字は「くノ一」と書きます。というと、やはり、女性に油断してはならない。突然豹変して、敵になるかもしれないという恐怖を覚える殿方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、女という字は、あくまでも、しなやかであるという優しさを形であらわしたものなのです。
この、女性の特性を生かして仕事をするべき時代の到来が、益々顕著になってきたように思えます。その要因の一つには、高齢化社会による、労働人員の激減に対しての補填的な要素があります。
そして、なによりも、今後のサービス業という付加価値を要求される事業の拡大が、女性ならではの、温もりのある感性を生かす機会が増えると考えられるからです。
今こそ、弱いものに寛容で、周りとの調和を大切にして、気持のよい環境をつくり、優しい言葉を話し、他人の健康を気遣い、危機管理を心がける事に長けている女性の本質が社会に役立つ時代なのです。
こういった流れの中で、女性が職につく時に、心がけて欲しい事が一つだけあります。
まずは、どのような状態でも約束した事は、必ず守るという覚悟です。職につくということは、社内の仲間はもちろん、取引先、顧客との約束を守る事を誓う事です。その為には、自分の都合は全て無くすと思うくらいの覚悟です。
一度、外に出たら自分を守るのは自分しかいません。そして、その最強の武器は、「信頼」です。あの人は信頼できる人となった時に、初めて仕事人として一人前になるのです。
その『信頼』を勝ち得る為に必要な事は、約束を守るという事なのです。それには、まず、守れそうも無い約束はしないという強い気持が大事です。どんな小さな約束も、守る事を心がけて仕事をしていくと、日々、素敵に輝く仕事人生に繋がっていきます。
そして、もう一つ、何があっても、他人のせいにしないという、自分との約束をして欲しく思います。こういった心構えだけでも、毎日が幸せな気分で過ごせます。
人生、明日、何があるかなんて、誰にもわかりません。今、この時を、どういう気持で過ごすかで、自分の人生の価値が変わっていきます。
その時々に、今の自分は、自分が選んだ道にいるという事、自分で運んだ運命である事を自覚して、過去を振り返らずに、悔やまずに、明日からの自分に向けて、前を見て進んで欲しく思います。
女性の真の力が求められている時代だからこそ、甘えずに、へこたれずに、まずは、今この時から、自分に約束して頂き、充実した仕事人生を送って欲しいと願っています。