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コラム

第98回

「社会的企業を目指して」

社会起業家とは、社会の課題を事業により変革する人である。それならば、殆どの会社法人は、社会の課題解決をしているし、貢献もしているはずだ。なのに、何故改めて??

そこで、私の考えとしては、社会的企業は、課題解決の対象もしくは構図が、体力的にも、制度的にも、環境的にも恵まれていない方々に向いている事だと思っている。

物は溢れ、知識も簡単に入手でき、交通の便も、買い物環境も、こんなに優遇されている現代の日本社会においても、格差はどんどん広がって、辛い立場の方も増え続けている。

今、必要なのは、本気の社会的救済企業ではないだろうか。救済は、施しではない。哀れみでもない。

高齢や事故や病気や貧困または不運な家庭事情によって様々な障害や被害にあっている方々に、自分の力で収入を得る方法や、余暇を楽しむ場や、事や、物を、提供できる事を言っている。その為に、知恵を絞って、継続可能な経営方法を考えるのが、社会的起業家だと思う。

そんな思いが深まっていたところ、田坂広志氏の講演を聞く機会を頂いた。
田坂氏は、知識と知恵と胆力のある方らしく、社会問題に対する気合が入っていて、かつ、魂がこもっていた。「人生は一度きり、自分の心に向き合ってみれば、なにをするべきか見えてくる」という言葉に姿勢を正された思いがした。

その田坂氏が、名誉学長をされているのが社会起業大学だ。そして理事長の田中勇一氏と弊社とは、長く、そしてとても身近なおつきあいをしてきた方である。

初めて会った時から、将来を熱く語って、何事にも積極的に、かつ、具体的に動いてインターウォーズに貢献してくれる逸材であった。

そして、彼の理想を形にする為に、独立されたのが10年前、そして3年前に、頼もしいパートナー中村氏と共に、社会起業大学を設立された。

経営と社会貢献の矛盾に向き合いながらも挫けることなく、常に前向きに、相変わらず具体的に動いているのが、確実な発展の様子で伝わってくる。

綺麗ごとでは、経営は不可能だ。社会の問題を解決するにしても、世間に賞賛されても、実は資金がいるのである。つまり、利益がなければ継続できない。そんな相反する仕事を、それでも、かならず道が開けると信じて頑張り抜いている事で、今や賛同者が増え、多くの卒業生を、そして、本気の社会起業家を創出している。

これからも、ますます、多くの社会起業家を世の中に送り出してくれると思う。より多くの人が社会的企業を目指すようになれば、日本は、益々幸せな国になり、その知恵を世界の国々に広めたら、憂さを暴力で解決するような心寂しい事件は消えていくはずだ。

社会起業をもっと良く知りたければ、是非、社会起業大学を見学して欲しい。現実を見て、共に考える事から、なにかが、始まるのだから。

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