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コラム

第4回

「ヘッド・ハンティング」

ヘッド・ハンティングという言語を、このところよく聞く。先日、若い営業マンが「いやーヘッド・ハンティングにあって、ここに転職しんたんです」と誇らしげに語ってくれた。渡された名刺に、課長代理となっていた。

ヘッド・ハンティングという言語は、そもそもアメリカのベンチャーキャピタル、会計監査法人や、インキュベーターが、企業の経営問題の解決を図るうえで、実際に企業内で解決の実行者、特にトップとなる人材を探すために独立した業を起こしたことに端を発する。起業のトップ(=ヘッド)を探すので、ヘッド・ハンターと呼ばれる。

最近では企業経営者、役員や部門といったトップ以外の一般の人材の獲得まで含めてヘッド・ハンティングと呼ばれるので、あえてトップ人材のヘッド・ハンティングを行うことを「エグゼクティブ・サーチ」と呼んでいるところもある。

ヘッド・ハンティングは、株主、オーナー、経営者が直接ヘッド・ハンターと、経営の課題、トップ人事の問題について相談をすることからスタートし、企業の理念、ヴィジョン、文化、方針、戦略、特質の理解、分析をヘッド・ハンターは第一ステップとして行う。

次に、その企業の持つ経営上の課題を解決に当たる実行者の職務内容に落とし込み、その人物像を明文化する。

プロフィールは、企業組織あるいは特定の事業や職能部門のヘッドとしてヒト・モノ・カネといった経営資源を獲得、配分、管理し、組織あるいは部門をリードする経営力(マネジメント能力とリーダーシップ)、特定の課題を解決するための組織遂行能力、自らの意思を明確に伝えることが出来るコミュニケーション能力、事業に関連する業界での経験や知識、人的ネットワーク、これらの能力や経験などを証明する実績、必要と思われる学歴、性格や職務遂行のスタイル、また職務への熱意などが求められる。

そしてこういった人材を様々なネットワークからサーチし、一人ひとりとダイレクトに面談し、一つ一つのプロセスをへて、依頼主とコンセンサスを取りながら進めてゆく。

これが、ヘッド・ハンティングだ。

今後、企業経営にとって現状の事業コンセプトによる企業経営では先細りは必至であることから、新規事業開発がますます大きな役割を担ってきている。

こういった新たな新事業成功の要素の多くは、ヘッド・ハンティングの成功の是非にある。

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