column

コラム

第6回

「出逢い」

2000年1月中旬、証券市場初の一株(―5万円額面)1億円の株価ヤフーが話題となった。

前職で、共に仕事をしていたメンバーが4年程前、知名度のない小さなポーター企業に転職した。今は、役員として活躍している。大手人気企業を辞め、無名の数億にも満たない企業へ参加する決断基準は、いったい何だったのか。

「未来」のありかをイメージの中に見つけたのだろうか。
サイバー社会の到来の予兆の中に、この会社のポジションを見たのだろうか。
数十億の資産を未来の自分が手にすることを想像し、思わず微笑んだのだろうか。

経営者の皆さんの創業時の会話をしていると必ずそこに誰かとの「出逢い」がある。ヤフージャパンの社長の井上さんは、第一次ベンチャーの雄と言われたソードで、会社の第一歩をスタートした人だ。

当時ソード社長の椎名さんは、よく井上さんを連れ、海外に出張して歩いていたと伺ったことがある。アメリカのマーケットを知る機会が多かったのかもしれない。その後、ソードは東芝の傘下に入り、それを機にソフトバンクの孫さんとの出逢いでソフトバンクに入社し、今日に至っている。

また、今年は多くのネット関連ベンチャー企業の公開が予測されるが、彼等は、必ず「誰か」との出逢いを口にする。人との「出逢い」は、人生を根底から変える。その人の存在がなければ、今の自分の存在もないことがある。人が物事を考えるきっかけや、行動するきっかけは、人との出逢いによって起る。人と人との出逢いは、大きな出来事であり、意識の進化はそこから始まる。

出逢いは簡単なようでなかなか複雑でもある。人と人には出逢うタイミングがあり、早すぎても遅すぎてもうまくいかないこともある。人は一人では何もできないが、良き仲間同志ができると、いろんな事を実現することができる。

皆さんと、良き出逢いをしてゆきたい。

コラムを毎月メルマガでご購読