第7回
「サイバー社会でのインキュベーション」
「いま」「ここ」は、ITの進化により、迎えたことのない、新たなサイバー社会への入口に立っている。これまでのプロダクトアウトのマーケットの終焉により、マーケットインの幕開けの時代を迎えた。
1998年米国でのクリスマス商戦が、いわゆるBtoC(企業が個人に)のEコマースビジネスがきっかけとなり、ネットビジネスに火がついたといわれている。
このところ、当社に「インターネットを使って、商取引きをしたい」との、Eコマースインキュベーション案件が多い。
クライアントに確認していることは、利用するというスタンスなのか?利用するということであれば、BtoC、BtoB、CtoCのどのポジションで勝負するか。自社のコアになる優位性は何かを確認、設定した上で進める。
既存のビジネスとEコマースとのバランス。社内コンセンサスとその支援体制はとれるのか?以上をクリアーにした上で、ターゲット顧客に対しての仕掛けを共に考えている。オンラインはもちろん万能でなく、特質を理解した上で、儲かる為のビジネスモデルが求められる。
ビジネスのパターンとして
① オンラインでショップを作り、商品を売るか。
② 場のコミュニティの提案か。
③ 個人に向けてのサービスか。
④ 企業向けか。
⑤ 仲介なのか。
を設定し、ビジネスモデルをデザインすることが大切だ。
「アイボール」(顧客)を連れてくるところと、どう組むか、といったアライアンスも成功のポイントとなる。全て自前でやっていたのでは、スピードに負けてしまう。
米国のベンチャーキャピタルは、トランザクション「売買取引」があるかどうか、コンシューマーが喜ぶか、そして誰がやるのか、経営チームは、といった目線での投資判断基準となっている。
サイバー社会でのビジネスを成長させてゆくには、従来の発想でない、自社の強みを生かし、マーケットインでメンターをつけ、スピード感を持って立ち上げてゆくことが重要だ。