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コラム

第11回

「ドットコム」

ネット販売のデルが、遂にコンパックを追い抜いた。Amazon.comの昨年株価総額は、200億ドルを超えた。未来価値を買っているからだ。

ナスダックに公開を開始した情報通信関連株の高騰がアメリカの好景気を支えている。中でもハイテク企業のドットコム銘柄と言われるものが注目を集めている。いったいこのドットコムとは何なのか?

ドットコム(.COM)とは世界中で通用する番地のようなもので、インターネットのアドレスの中で一番重要な意味を持ちはじめている。

新しい先にあるエルドラド(黄金郷)を目指してみんなが一目散に駆けている。米国では、ユーザー数1,700万人となり、すでにテレビ以上の浸透率を得たようだ。サイバー社会の到来は、ビジネス環境に革命をもたらす。

19世紀産業革命が起こった時「鉄道より馬のほうが便利だ。汽車はレールのあるところしか行けないが、馬ならどこにでもいける」と言う人が数多くいたようだ。

これまでの価値観がすべてひっくり返るのだから、最初は何が起こっているのかわからない。しかし気が付いたとき、馬にこだわっていた人達の姿は、今はない。

インターネットによる社会革命を背景としたベンチャーが、一過性のブームを起こすにとどまることはないはずだ。現在、ネット系ベンチャーに注がれている熱い視線の向こうには、この分野を成長セクターに位置付けようとするマーケットの思惑があることも無視できない。

eビジネスは、経済全体のパイを拡大させるようなニューマーケットを創造したのではなく、商品やサービスの供給に中間業者をともなわない『中抜き』のビジネス構造を実現した。

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