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コラム

第20回

「起業から、企業へ」

日本は今、起業の時代を迎えている。起業の手段の一つに、米国の成功モデルを輸入するあり方がある。しかし、最近アメリカで話題になっているベンチャーを、単純に日本へ持ってきても、簡単に成功しないケースが多い。

モノ作り中心の工業化社会では、欧米の成功ビジネスモデルを学び、そこに日本的なきめ細かさを付加することによって、十分キャッチアップでき本国より良い事業を創り出すケースは随分多かった。

しかし、モノよりも知的価値が優先される知識社会に入ると、そういう手法で米国を乗り越える事業を育てることはむずかしい。

最近、国策として起業に対し助成金をはじめ、エンジェル税制や、ベンチャーキャピタルにセーフティ・キャピタルといえるほどの、投資促進策を打ってきている。

これまで、知的価値の高いベンチャー企業を育てる環境として、ベンチャーキャピタルが創業間もない小さな企業にリスクマネーを供給して、その企業が成功したら大きなリターンを得るというのは、ベンチャーキャピタルのほんの一面にすぎなかったが、「起業の環境」は整ってきた。

ここ数年、日本ではインターネット創業ブームが起こり、ネットバブルによって億万長者を数多く生み出した。しかし、起業から企業に育たなく立ち行かなくなっているケースが後をたたない。

ゴールが公開であり、事業基盤の確立できないところに、問題に思える。

過日、富士通社の社内ベンチャー制度から、生まれたグループ内社長から「事業構造を創らなければ成功でなく、評価されない。」そして、来年公開する予定だが、その後が課題だとの話を伺った。 余韻の残る内容であり、目線が公開の延長にいっていることが、強く感じとられた。

「企業価値」が問われている昨今、起業から企業への企ての中に、価値が生まれる。

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