column

コラム

第21回

「起業成功のコア」

起業環境は整ってきた。必要とされるのは、「起業家にふさわしい人物、そして、志を共に350日同じ夢を追いかける同士結束のチーム」にある。

かつて、1981年から1986年までの期間に設立された企業数が約130万社であるのに対し、上場できた会社は10万社に3社の狭き門であった。ここ数年は150社に3社が対象となっている。

多くの日本人はベンチャーという言葉をアドベンチャーと同意語のように考えている。アメリカ人がイメージする”冒険”とベンチャーはイコールではない。変化よりも安定を求める一般的な日本人の感性と異なり、多くのアメリカ人にとって人生はリスクに満ちたものであり、自己実現をテーマとしてとらえている。

「ベンチャービジネスとは?」どのようなノウハウや意識がそれを可能にしているのか、様々な立場の皆さんと議論を重ねてきたが、最も大切だと全員が認めた定義の条件は”ベンチャーは人的資源に依存する”、つまり人こそが全てのビジネス活動の原点であり、まず起業ありきではなく、まず人ありきなんだということからスタートしているチームが、今も昔も成功しているとのことに行き着いた。

そして、次へのステップの第一条件は、理念が不可欠であるということ。
<起業の理念>がなければ人を集わなく、感動できない。人を感動(感じて動く)させることができなければ、実績もない着想だけのベンチャー起業に、人が集うことはなく、資金を投じてくれる人を見つけることなどできない。

次に、<事業構造を描く>こと。起業の理念を確立することができれば、次は事業構造を描かなければならない。

事業構造とは、社会において、その企業がどのような枠組みの下で、どのような基盤の上に存在することになるのかについてのラフ・デザインである。

起業家がどれほど懸命にその構築物(企業)を建設、維持しようと努力しても、その構築物を建設しようとしている土台(基盤)が脆弱であれば、構築は不可能である。

そして、自分が考えている事業を支えてくれるパートナー的存在は創り得るか?創り得るとすれば、それは十分に強力なものなのか?

起業を成功させるためには、事業基盤であるマーケットが確かなものであるだけではなく、その事業を支援してくれるパートナーを獲得できるかが、重要である。商品を販売しようと思えば、販路になってくれる流通業者や、商品を卸してくれる仕入業者の協力が必要であるし、サービスを販売しようと思えば、そのサービスを開発することに協力してくれる専門業者や、販売活動を担ってくれる代理店、あるいはフランチャイズ加盟店などが必要である。

これから起業しようというような段階では、いかにしてよきパートナーを獲得するかが事業成功の鍵となる。また、ベンチャーファンドなどを活用する際も、ベンチャービジネスを実践して成功させた経験を持ったキャピタリストや、本物のインキュベーターを得ることが大切だ。

コラムを毎月メルマガでご購読