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コラム

第26回

「創業期の人間開放力」

つい最近まで話題の中心だった公開企業が、現在、厳しい批判のステージにおかれているケースが後をたたない。何故だろうか?

企業がスタートする際、顧客に向かいメンバーのエネルギーが集中し、それぞれ自分がやるしかない、という気持ちで頑張る。

ノウハウが確立されてないから知恵を集めトライエンドエラーで、全員が夢と希望をもって未来に賭ける。こういった状態が、創業期の企業に共通する。

ここに企業の環境変化への適応と成長の原動力の核心がある。そして、会社と自分と共に仕事する相手への「可能性信頼」がその姿だ。

ところが、成長企業の多くはこの可能性信頼を、量的な成長や能率のために犠牲にしてしまう。 また、仕組みや風土化できずに風化させてしまうケースが多い。

起業から企業へとの成長ドラマを、みごとに演じつづけている力強い事業基盤を築いた会社には「個」のマインド、創業風土、が変わることなく持続されている。起業時に生まれるエネルギー、知恵や一体感は、大きな優位性となる。

最近、グローバルダイニング社や、ミスミ社などをみていると、会社をプラットホームとして、企業内起業家を支援する風土、仕組み、成果報酬による制度など、独自の施策を駆使して起業時のトータルソフトを維持してゆこうと努力している。

いよいよ二一世紀の扉が開くが、人間開放による「人と企業の可能性信頼」を築いた企業がこれから生き残る企業となるだろう。

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