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コラム

第45回

「北京と台湾とベトナム」

今年になって、台湾、中国、ベトナムへ行ってきた。台湾で視察した工場のクオリティの高さとビジネスマンの颯爽とした姿、ベトナムホーチミン市での、オートバイにまたがる人々が描く運河、そして、中国北京の現状への驚きとショックは、いまだに余韻が残っている。

建物のスケールの大きさもさることながら、人々の生き生きした姿と、エネルギー溢れる街の波動。溢れんばかりの人々が、個性を表現したファッションを身につけ、ビジネス街では様々な国の人が、日常的に英語でコミュニケーションをしている。

また夜の飲食店に賑わう人々はまるで喧嘩でもしているように語り合い、日本人の食べる3倍もあるような量を食べる。正直言って、まともに戦って勝てる相手達ではないように思えた。

また、大卒の初任給が、台湾15万、中国15,000円、ベトナム4,000円とのことであった。そして、日本は20万を超えている。株価8,000円台(9月時点)、失業率5%、GDP4月~8月0.8%、そしてアメリカの同時テロ事件と、今世紀の始まりは、完全に赤信号である。

「構造変革なくして・・」それは解る、ではいったい日本企業は、今、生き残る為にどうすべきか?その手段の一つは、中国、ベトナムの生産システムをいかに自社のコスト構造の中に優位に取り込むかが、なすべきことの答えであると思う。

元気な企業のコアを検証していると、大半は「コストが低い」ということが共通していた。ユニクロをベンチマークすると、自分で設計し、プロデュースし、自分の店で拡販する構造が見えてくる。そしてコスト構造の中にベトナムや中国を組み入れてゆくことが、生き残る戦略である。

一度、自分の目と肌で中国やベトナムを感じて欲しい、その昔、アメリカが日本の商法を学んだがごとく、新たな、ビジネスシステムと遭遇できるかも知れない。

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