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コラム

第56回

「幸せの条件」

過日、セミナーでの講演後、会場である企業の幹部の方が、土地の担保価値がまだ落ちつづけてたいへんだと嘆いておられた。

「でも、安くなり家を建てやすくなってよかったじゃないですか!」と、申し上げたら「?」の顔をされた。社会通念での価値観と、この方の価値観が一体となり、個人の問題として考えられなくなっている気がした。ここに【企業内個人】の不幸が象徴されているように思えた。

私は、会社を創る際、「会社は人と社会の為にあり、共有した理念に向けて、人が自立し頑張った分だけ個人収入が青天井で確保できる舞台であるべき」と考え、人が幸せになれる会社のあり方として、個人が会社とコミットを結ぶ仕組みを実践した。

まだまだ、試行錯誤の連続だが、時々「幸せの条件とは何だろう?」と、仲間達とその語り合ったり、求職者の方から質問を受けたりする度に、改めて確認している。

その条件として、まず「夢」や「志」が必要だ! そして何処に向かって、自分はどんな意味や価値を持って生きるのか!人生の目的がないと、幸せなプロセスを歩む人生とは言えない。

次に「お金」自分の夢にチャレンジするためにもある程度のお金は必要であり、家族で安心して生活できる原資がないと、幸せとはいえない。 

しかし、この二つだけでも何か物足りない! 共に喜びを共感し会える「同志」が必要である。信頼する「仕事の同志」「家族」や「恋人」や「友人」という喜びを、分かち合う同志がいないと幸せを手にできない。

そして、人の役にたち、社会の役にたつ存在であることがより豊な人生を与えてくれる。 
「夢」だけでも、「金」だけでも、「仲間」だけでも、「人の役に立つ」だけでも駄目で、夢と金と仲間、人の役に立つことによって、「幸せの条件」が揃う。

会社も同様であり、夢だけだと、大きな夢や志はあるが、必要な資金もなく、夢を共有する仲間もできない。お金のみだと、金儲けだけで夢もなければ、信頼し合う仲間もいなく金の亡者と化し、事件に繋がることも多い。

また、仲間だけだと、共有する志もなく資金もない、仲良し集団でやがて姿を消してしまう。人の役に立つだけだと、気持ちは満足する事があっても、事業ではなくボランティアになってしまい存続できなくなってしまう。

幸せ獲得は、夢と金と仲間と社会貢献へのバランスアプローチにある。

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