column

コラム

第130回

「女は強し、さらに母は強し」

この世に、か弱い女性がいないとは思わない。ただ、私は、何故か巡り合った事が無い。そんな、ただでさえも、強く逞しい女史が、母親になるとどうなるかというと、それはもう強さに拍車がかかる。

私もシングルマザーというか、いわゆる寡婦として子育てをしたが、確かにその最中は、強靭な精神力と体力があったように思う。

過労とストレスから入院し開腹手術をしたその週に、医者が止めるのも聞かずに、子供の為にと外出した覚えもある。睡眠が足りる事なんかまずない。でもなんとかなる。

幼い子供を持つ母親の気力、体力は、なにかを超えるものなのである。雨降りに幼児と乳児を一人で世話をしながら、自転車で買い物をしているお母さんとか、荷物と子供とベビーカーを持ち上げて階段上ってるママさんを街中で見かけると、つい、「おっ」という声が出る。労いと称賛と懐かしさの「おっ」である。

子供がいるだけで重労働の上、仕事を持っている親達は、定時の時間に追われている。予定のずれは、食べる間と寝る間を削って補うしかない。それでも、小さくてか弱い体を抱きしめて、自分のエネルギーとして奮起するのだ。

子供は、成長過程において様々な変化進化があり、その上想定外の出来事との遭遇もあり、片時も目が離せない。乳幼児を抱える家庭は、気の休まる間など無い。

そんな、仕事を持つ親や家庭の事情で育児に困っている方の問題や苦難を打破しようと、いろいろなサポート機能を持つ会社や団体が増えている。

その中のお一人でもある株式会社アズママの甲田社長のプレゼンを聞かせて頂いた。スーパーキャリアウーマンとして、順風満帆で過ごされていたのに、子育ての最中に理不尽な境遇に追い込まれ、スキルを上げようと通った教室で起業のきっかけを見つけられ2009年に設立された。

自分の経験を基に、試行錯誤でも実行し続けた末に、今のモデルが出来てきたそうだ。

近隣の支援者や仲間をつなぎ、育児をシェアできる仕組みである。どうせなら、顔見知りの方々に適正なお礼で、ちょっとだけ面倒をみてもらう。スポンサーや協力者を含め、「お互い様で頼りあう」をネットの仕組みで補い合うモデルである。自分自身も活用する側としての目線を持ち、サービス向上に努めている。

流石に、もと敏腕キャリアウーマンだけあって、実に気合いの入ったプレゼンで周りを圧倒されていた。彼女は、何をやっても出来る女性だと思うが、母親になった事で更に迫力が増したのだと確信している。

まさに、母親は、更に強しなのである。

コラムを毎月メルマガでご購読