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コラム

第141回

「伯楽を見つけよう」

中国は周の時代に、その方が振り向くだけで馬の値打ちがあがる、通称伯楽という凄い人がいたという。そもそも伯楽とは、天上で馬を育てる人のことであったのが、いつからか人の才能を見抜いて、近年では、適切な指導ができる人を名伯楽と称える様になった。

では、その現代の伯楽を見つける方法があるのだろうか。

まずは、その伸ばしたい才能にもよる。例えば、スポーツや伝統芸能や芸術的な素質は、遺伝子や家庭環境が多分に関係している。

生まれつきの才能や身体の違いはどうしようもないし、鍛練、訓練の時間が必要だ。天性の才能も、老いてからの訓練では発揮できない。無かった事と同じである。

なので、幼少期において、可能性を認めた近親者が名伯楽候補を探してお願いするしかない。其の出会いで天才の未来が変わるのだ。

しかし、仕事の才能となると訳が違う、年齢や性別や国籍や身体能力で判断できるものではない。まずは、本人の人格と経験と適応力である。

そして、その本人の仕事に向き合う姿勢や特性をどう生かすかが、仕事的伯楽であるべきリーダーの能力なのだが、千里を走れる馬は沢山いても伯楽は少ないと昔から言われているように、名リーダーは希少な存在である。なので、名リーダーにたどり着くのも簡単ではない。偶然の出会いなど奇跡に近い。

ということで、大人であれば、偶然や奇跡に頼る前に、自分の持つ能力を分析して、その特性を生かす方法を自分で考えて、自ら機会をつくって動き出すくらいはして欲しい。

誰かに言われたからとか、皆がやっているからとかに惑わされずに。自分の考えで本気で動いているうちに、本物の名伯楽に出会うかもしれない。

あるいは、才能のある人を発見して自分が伯楽になれるかもしれない。つまりは、仕事の伯楽に出会う最短の方法は、やりたい事、出来る事を明確にして、自分を信じて具体的に動く事しかない。

現代は、自分をアピールするための方法はいくらでもある、ありすぎるくらいある。なので、諦めなければ、思いをかなえる事が可能なのである。もう駄目だと思うくらい頑張った後に、本物の頑張りが必要なのである。現代の名伯楽N監督曰く、限界からが勝負なのである。

伯楽を見つけるために動いていたら、必ず自分の為になることは見つかる。または、自分の働きで、上司を伯楽にして差し上げるのも一つの生き方でもある。

ともかくも、人生は、自分の伯楽を見つけたもの勝ちだ。もちろん、ご自身が伯楽になられることを目指されるのも良いと思う。

いずれにしろ、大事な事は、遅きに失しない事。天賦の才も、仕事の能力も発揮できる年齢制限はあるのだから。

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