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コラム

第167回

「豊かな国、日本!」

最近、「幸せ」という言葉を、多くの人がいたるところで語っている様な気がします。人々の豊かさの尺度が、「総生産数値」から、「幸福度」に、移り変わってきているのだと思います。

OECD(経済協力開発機構)が、2011年5月に発表した「より良い暮らし指標」調査によると、日本は34カ国中19位だそうです。収入、健康、ワークライフバランスなど、以前の日本は高い位置にいたのが、残念なことに軒並みダウンしています。

今後の日本経済は、スタグフレーションの時代の到来が予想されます。スタグフレーションとは、景気が悪いのに、インフレが起きている状態のことをいいます。ここしばらくは、日本経済が厳しい状況が続く現実を受け入れ、身の丈に合った生活が求められるのだと思います。

持続可能性(サステナビリティ)を求めつつ、人々は、「相対的幸福論」でなく、自分自身の幸せの形を見つけていこうということに、ようやく気付きはじめたように思います。

よく「創造的破壊」という言葉が使われていますが、今回の震災は、あまりにも大きな犠牲を伴う破壊でした。

今回の有事が、本来のあるべき市場主義にのっとった姿で、人との比較でない自分の幸福の形を見つけ、周りとの絆を大切にして、社会にとって役に立つ生き方を選択する人々が増えることで、「豊かな国、日本」の創造につながって欲しいものだと思います。

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