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コラム

第171回

「運を持つ人々の繋がりの中に」

10月5日、世界の人々のライフスタイルを変えた現代の稀代のアップル創業者、スティーブ・ジョブズが亡くなった。スティーブ・ジョブズが世界の人々に与えたインパクトは、はかり知れない。

「有限の人生の時間の中で、私は若い頃に大好きなことに出合えて幸運でした。」スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で語った、有名なスピーチの中の言葉である。

人生の成功者達は、「運」や「出逢い」という言葉をよく口にする。ただ、「運」の正体や姿は見えないので、なかなか解らない。つかみようがないので、分析もできない。

ただ、私が運を持った人々に共通して感じるのは、「運」は人に付くもので、寄り添う性質があり、人との交わりから生まれてくるということである。夢を持った陽転思考の人達のネットワークの中にいると、運が集まって来るように感じる。

日経新聞の「私の履歴書」に登場してくる成功者たちは、人生の節目で必ず、「あの人のお世話になり、運が良かった」というくだりが出てくる。

人との出逢いと交わりから、その人の人生が輝く事実を見ていると、「運」は人に付くものだと改めて思う。人は、一人で生きることができない。人と人との関係に生き、運を持つ相互依存のネットワークの中から、自己実現の力が生まれる。

歴史に名を残した人達は、運を持つ人々との出逢いの縁を編集し、大きなパワーに変えて、社会にインパクトを与えたように思う。

世界同時不況によって、トンネルの先の明りが見えないといわれる今、これから人や企業がイノベーションしてゆくには、志と運を持つ人々との繋がりを大事にすることから、大きな機会が生まれてくるのかも知れない。

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