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コラム

第176回

「マカオ」

過日、世界遺産とカジノ産業で沸騰している二つの顔を持つ街「マカオ」を訪ねました。

マカオの街は、450年にわたり中国とポルトガルの文化が融合したことによって創り出され、街全体がアートな街並みでした。マカオは、中世の日本においては関わりが深い歴史があり、長崎でカステラを広めたポルトガル人は、マカオ経由で日本に広めたことを知りました。

また、戦国時代のキリシタン弾圧の際、マカオに亡命した日本人殉教者の墓があり、セントポール天主堂のファザードに、日本を象徴する菊が彫り込まれていました。

一方、夜にはカジノを併設するホテル群のネオンライトが光り輝き、ひときわ目立つ華やかな街に変貌する、昼と夜のコントラストが印象的でした。

現在、マカオの経済は、観光産業としてはラスベガスの4倍の規模とのこと。また、織物や衣類、花火、玩具や造花、電子機器の生産拠点となっています。

昨年訪ねたマラッカは、ポルトガル、オランダ、イギリス、日本に占領されたことから、宗教、建築、文化、料理が融合し、独自の文化が創生され世界に誇れる街に育っていました。そして、「タン・チェン・ロックという起業家」が、時をかけ、それぞれの民族、宗教、文化を尊重して、融合しながら共存して生きる精神や知恵を結び、街を創り上げてゆく姿にマカオと共通したものがあります。

これまで資源の少ない日本は、海に囲まれた単一民族として、トヨタを筆頭に輸出加工産業によって成長してきた国です。

今日の成熟経済から、日本がブレークスルーしてゆくために、グローバル人材や様々な文化を受け入れ融合することによって、起業家の手でイノベーションすることが、「日本のグローバル社会でのあり方」だと確信しました。

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