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コラム

第177回

 「脅威の危機の中に」

「企業繁栄の方程式」が変わり、業界や企業間での新旧交代が、激しくなってきました。10年前、日本企業の稼ぎ頭は、トヨタを筆頭にメーカー企業が大半でした。

現在、NTTドコモを始め、通信や商社、SNSネット会社といった新興企業で成り立っています。

10年前とは産業地図が様変わりしました。ソニー、パナソニック、シャープといったメーカーが、2011年決算で数千億の赤字を出し、危機的な状況に陥っています。

デジタルグローバル社会は、新興国も先進国と同じレベルの品質で商品が作れます。ソニー、パナソニック、シャープの赤字は、競争力を失い、新興国にシェアを奪われた結果です。

ZOZOTOWNのスタートトゥデイが、前年対比で37%アップ、63億の利益を出しました。

上場新興企業群の平均伸び率は、前年比で30%を超え、雇用を拡大しています。日本では、起業して設立5年で85%の会社が無くなり、存続できる企業は10年で6.3%、20年で0.3%のみです。

今後、デジタル・グローバル化によって変化スピードが増し、事業生命が短くなって行くと思います。

この4月、リクルートでは、47歳の新社長に変わり、大胆な改革が行われ新体制でスタートしました。リクルートでは、様々な事業が存在しています。

激変する企業や人のニーズによって、マーケットは変貌しています。各事業部が、ハイスピードで意志決定できる自立した組織でなければ、環境適応できなくなります。

様々な事業が存在する会社では、経営陣が各事業の意思決定をしていると、変化スピードの速い時代に追いつかなくなります。

リクルートは各事業部が自立し、事業部長達が社長として経営を担うことによって、存続する事業ポートフォリオを考えたのだと思います。

100年存続する企業は、「脅威と感じるほどの危機的事態の中に、隠れた発展の機会がある」と捉え、チャレンジし続けたリーダー達のDNAが承継されています。

目の前のP/Lと安定を求め、何もしない企業は、必ず衰退してゆきます。

20年前、インターネット革命が起こり、産業の地図を変えました。今、新たなソーシャルネットワーキングサービスの革命によって、新大陸が訪れました。

顔の見える人々が繋るSNSが、世界を変容させ、既存事業にとって、脅威といえる危機的事態を迎えています。世の中の変化をコントロールすることはできませんが、その先端に立つことはできます。

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