第171回
「何々の会」
仕事柄、というより、年齢や特殊な立ち位置のおかげもあり、あらゆる業界のあらゆるポジションの方とお会いする。
何々会の設立、企業の記念パーティー、知人のセミナー、業界、又は異業種の交流会、等々 何かと集まっては、名刺交換の儀式を行う。
世の中には、沢山の仕事があって、沢山の努力があって成り立っているのだと、名刺を拝見するたびに思う。そして、どなたも、目的を持って参加されたり、自ら会を始められたりしている。
しかし、いわゆるシニアの方々で発足される会は、少し雰囲気が違う。なんとなく、鷹揚に感じるのである。
若者ではないということは、生きてきた分、人生の悲哀も葛藤も挫折も成功も、経験済みなのだから、大抵の事は想定できるし対応もできる。なので、後は楽しむだけといったところだろうか。そうはいっても、慎重に最後の本気を探しているようにも思える。
だから、仲間と意見交換をして、適当に宴席で盛り上がっていても、自身の生きがいに結びつきそうな話がでると、電光石火の早業で自己アピールをして、アポイントをとりつけるという熟練のビジネスマンの習性が顔を出す。やっぱり、何かを求めているのだ。まだまだ元気ということか。
それにしても、日本人の平均年齢は45歳になってしまった。なので、最近の会合では、50代でも若いうちで、60代で孫がいるのは普通で、ひ孫の話も珍しくない。今や、80年前の平均寿命が、平均年齢なのだから仕方がないけれど、ここまで来ると日本人だけで、若返りは無理である。
いまや、外国人の受け入れはどうしようかなぁなんてのんびりしている場合ではない。是非、優秀な若い外国人に来て頂けるように政策を打つしかないのである。移民だなんだ言っている場合ではない。
そもそも、アメリカは外国人の集まりの国である。アメリカで使われている言語は156種類もあるのだ。つまり、156ヶ国の人種が集まってアメリカなのである。
東京は12人に1人は外国の方の労働力に頼っているらしいので、私の近所等、すでに20ヶ国以上の言語が飛び交っている。もう彼らなしに商売が成り立たない。そして、有難いことに、日本語は普通に話せるし、読めるし、親切で優しい。
こういう方々に、日本の良いところ?まあ、伝統とか、技術とか文化の優れたところをどんどん継承して頂いて、ネオジャパニーズを築いて頂くしかない。
近い未来、諸外国出身の新日本人の方々が会を開かれたり、参加されている様子が想像できる。年齢も国籍も超えての交流会とか、とても面白そうである。
今、爆発的な勢いで音声翻訳機が売れている。すでに74ヶ国語に対応できるという。それだけ、日常でも外国人と話さなければならない機会が増えているということだろう。
まだまだ、技術的に課題はあるようだが、何もないよりましだ。なにより、これがあれば、数十か国の方と母国語で交流できる会ができるかもしれない。
言葉の壁が外れたら、新たなビジネスの機会の窓が開く。もしかして人生の扉も開くかもだ。若者は勿論、高齢者であっても、より早く違う文化を知る為に、外国人との交流を深めるべきだ。
まずは、異国者交流会が発足される前に、翻訳機を手に入れて、使いこなせるようになっておこうと思っている。無駄に元気なもので。