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コラム

第197回

「もう一つの現実」

喫茶店のテーブルのゲーム機や、機器を集合した施設で遊戯に夢中になっている若者の姿がニュースになっていたのが、今から40年程前。その若者の子供たちは、テレビ画面を使える機器に夢中になり新たなゲームの世界が広がった、

そして、またその子供達は、多種多様の機器で、いつでもどこでも遊べるようになった。しかも、遠く離れた友人や見知らぬ他人とでも一緒に、リアル感のあるゲームを楽しめる。

もともとゲーム(game)の語源は(人と一緒)だそうだが、まさにいろんな人と一緒にARやVRやMR技術のお陰で、リアルな感触や視覚の中でお話したり、遊んだり冒険したり、勉強したりする、もう一つの世界に現実社会を持っているようである。

Ready player one  という、アメリカのSF映画では、予測される未来の社会環境や、生活格差を捉え、仮想空間の中で日々を過ごす(しかない)下層階級の人々の姿を見せつけられる。

世の中に流されて、ぼーっと生きているとこんな風になりますよという警告にも見えるし、結果どんな時代も、人の幸せは、自然や人とのリアルな関わりの中にしかないのだから、自然を大切に、人を愛して過ごすことだと諭されている気にもなる、私には娯楽映画とは思えぬ内容だった。

何故ならば、本当にこういう世界になってしまう脅威を感じているからだ。

これから益々、若き天才達が、常識を覆したアイディアで瞬時に成功し、これまでの事業の慣習が通用しなくなっていくのが目に見えているではないか。

なにしろ、今時、会社の大小、個人法人、年齢、国籍なんて関係がない。お金も世界中から集められる。立地も仮想空間でどうにでもなる。広告も自分で発信できる。そう、中味が魅力的なら、なんでもビジネスとして成り立ってしまうのだ。

良く言えば、アイディアを持ち、勝負にでる勇気があれば可能性は無限にある。とはいえ、無理に、特に、あえて、勝負に出なくても、アイディアを持つこと自体が素晴らしい。なにしろ、アイディアが湧く人は幸せでいられる。

アイディア(ひらめき)が浮かぶ時は、「何か」を解決する術を発見した時ではないだろうか。自分事の課題解決はもとより、誰かの為に役に立つ何かを発見、もしくは気づいた時に喜びを感じるのは、人間ならではの心理ではないだろうか。

有難い事に、今や、なぁんでも出来る時代である。まさかの宇宙旅行も秒読みだし、大変な惨事と恐れられているウイルスも、ワクチンや治療薬の普及が進めば、「あんなことあったよねぇ」という回想になるのも、もうすぐである。日本においても、もうそろそろ・・。

なので、なにかと巣ごもりを求められる中、気分転換に2045年の自身を想像しながら事業アイディアを考えてみる事をお勧めする。今の課題解決より、その先を考えた方がいい。あっという間に未来が来るからね。

大層な事でなくてもいい。どんな問題を解決する内容か、どうやってお金を儲けるかだけでいい。これが、肝心。ビジネスモデルとはお金の儲け方だから。秘訣は、アイディアより前のおもいつきの段階で、挫折するようなことはしないことだ。

こんな夢みたいなこと出来ないよなぁなんて諦めていたら、貴重なアイディアも浮かばなくなる。そして、そのアイディアを持って既にやっている人がいるかどうかだけ、サーチしたほうがいい。親和性を感じて、そこを応援することもできるし、もっと自信がつくかもしれない。

そうして、自分のアイディアを形にする意識で社会をみると、情報の取り方も変わり、知識も増えて未来が更に楽しくなるはずだ。これからは、仮想空間で別人になって、本当に事業を起こすことも、アイドル?になることもできる。そう、今やもう一つの現実をつくることさえもが安易にできるのである。

まったく、リアルでも仮想空間でもやりたいことができるなんて、なんとお得な時代であろうか。

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