第199回
「ミーハー効果」
私は、ミーハーだ。
それも半世紀を超えた筋金入りのミーハーである。
ミーハーとは、昭和の初め、若い女性が夢中になる対象の頭文字をとって、少々女子を揶揄して作られたとも言われているが、未だに流行りものや有名人に飛びつく人を表現する際に、中高年だけではなく、平成生まれの若者にも通用するという不思議な俗語だ。
だが、一度の人生、興味のあるものに夢中になって何が悪い?
ましてや、面白いものに興味を持つことで多少なりとも新たな知識を得て何が悪い?
人生限られた時間、何もしなくても時間は過ぎていくのだから、その時間を好きなように使い、その得た情報を好きなように使って何が悪い?
なので、私は、ミーハーマインドを捨てる気はない。
なにしろ、昨今益々面白い事、驚く話、感激する話はいくらでも得られる。
あれもこれも、追及していたら、いくら時間があっても足りないので興味の範囲を絞っているくらいだ。
メディアに頼らなくても、たまに、普段合わない人と話す機会があると、またまた面白い話が聞ける。
セミナーもまた、いいもので、「そういう事だったのか!ヘウレーカ!!」的な喜びがある。
しかし、申し訳ないのだが、今のところ、私が面白がるだけで、それがすぐに他人様のお役に立てるという訳ではない。単に自己満足である。
自己満足といえば、世界中で、地球環境保護が叫ばれ、どの企業も集中してあらゆる課題解決に取り組んでいるが、究極は、一人一人の行動にかかっている。持続可能な社会は、個々人の行動にかかっているのだ。
つまり私もその一人。
そして、こういう行動のモチベーション維持にも、ミーハーマインドは役に立つ。なにしろ流行に乗らないとだから。知らない、やってない等言いたくない。
ゴミを減らすことを心掛け、食生活に気を使い、買わない、持たないを出来る限り守り、プラスチック製品はなるだけ使わない&エコバックを忘れない。
フェアトレードやエシカルな商品を買うよう心がける。常に水光熱費の節約を意識する。
その他、自然を大切に、世界平和、多様性等々に関する事には出来るだけ協力、賛同するように心がけている。
そう、にわか仕込みの知識でも、浅はかでも、自己満足でもやらないよりは良いじゃないか。
最近、そんな、流行り物、新し物好きの興味センサーが、またまた反応した会社がある。
仮想通貨の交換媒体としてプリペイドを発行する(凡庸な私には、その程度しか理解できていないが。)会社だ。
金融の仕組みの変化は感じていても、課題解決には時間がかかると思っていたところ、いとも簡単に、20代の若者たちがさらさらっと、難題を解決して、支払媒体をつくってしまった。
まったく、愉快でわくわくする話だ。
暫くは、この企業進捗を見守ろうと思っている。
そう、このように、ミーハーマインドは、知らない事を知ると喜ぶ。ワクワクしながら調べたりする。
思うに、世の中の陰の部分ばかりを考え、誰かを責めても、社会を恨んでも問題は解決しない。
課題解決は、ワクワクがないと良い解決策が浮かばない。浮かぶわけがない。
だから、ミーハーマインドで、あらゆる興味を持ち、出来るだけ自分の頭の引き出しにしまっておけば、何かの時に役に立つ。
少なくとも私は、そのおかげで、何があろうと、これまでの人生面白おかしく生きてきた。
つまりは、元気に生きる為の効果効能がミーハーマインドにはあるのだ。
ミーハー上等!だ。